別名

せき

定義

突然の強制的な肺からの空気の呼出

考慮すべきこと

咳という反射作用は、身体が持つ最も優れた防衛反応の1つです。気管に炎症や異物があると、この反射作用を起こします。空気を強く吐き出すことが、気道から異物を取り除く働きをします。

咳は、膿痰などを喀出するのにさらに高い効果を発揮します。このような咳を「湿性」の咳であるといい、通常は薬で鎮静させるべきではありません。

喉に炎症があるために咳の反射作用が起こることもあります。この場合は、正常に存在する粘液を喀出するだけです。(このような咳を「から」咳あるいは「乾性」の咳といいます。)

鼻腔から出る鼻汁が喉および肺に流下し(後鼻漏)、咳反射を引き起こすことがあります。このような咳は特別な意味がないため、咳止め薬で治療してかまいません。

幼児の場合、咳が出ることは異常であり、重大な肺疾患の恐れがあります。

咳の原因を調べるときには、咳の特徴、鼻汁や膿汁が出るかなど、咳の状態を詳しく確認してください。

気管支炎やそれに類する感染症が原因で起こる咳は、通常は2週間以内に収まります。咳がそれ以上長引く場合は、主治医の診察を受けてください。

以下のような場合、咳が重大な疾患の症状として現れている可能性があります。
- 血痰が出る。
- 胸痛を伴う。
- 呼吸がしづらかったり、息切れがしたりする。
- 意図していないのに体重が減少した。

一般的原因

- 喫煙 (煙草のけむりが気管の粘膜の細胞を破壊し、そのために鼻汁が正常に排出されなくなると、慢性的な咳を引き起こします。
- 間接喫煙あるいは受動喫煙も含まれます。)
- 最も多い原因は、風邪インフルエンザ、その他のウイルス感染です(この場合、黄色または白の鼻汁が出ます)。
- 薬品(ACE阻害剤や去痰剤など)は、慢性で乾性の空咳を誘発します。
- ストレス(睡眠中に咳が収まる場合は、ストレスが原因と考えられます)
- アレルギー
- 誤嚥(「異物吸引または摂取」を参照)
- 無気肺
- 細菌感染(気管支拡張症気管支炎肺炎副鼻腔炎、気管炎) - 多くの場合、さび色または緑色の粘液が出ます。
- うっ血性心不全
- 環境汚染
- 胃食道逆流
- 感染(クラミディア、マイコプラズマ、百日咳など)
- 後鼻漏
- 喘息
- ウイルス感染(細気管支炎クループ偽膜性喉頭炎)、肺炎、上気道感染)
- 医療検査(気管支鏡、胸部レントゲン撮影肺機能検査など)
- 治療(間欠的陽圧呼吸、精一杯頑張った肺活量測定など)
- 肺
- 肺気腫

注: 咳の原因は上記以外にも考えられます。上記のリストは、考えられる原因をすべて網羅しているものではありませんし、また、原因として多いものから順に並んでいるわけでもありません。希な病気や薬剤が、この症状の原因となることもあります。また、患者の年齢や性別、および症状の現れ方(性状、経過、悪化要因、緩和要因、随伴症状など)によっては、異なる原因が考えられることもあります。「症状分析」機能を使って、咳だけが単独で起きているのか、他の病気と関連があるのか可能な説明を探してください。

家庭での治療

部屋の湿度を上げると、症状が緩和されることがあります。加湿器などを使って湿度を高くしてください。

水分を充分にとると、分泌液が希薄になり、喀出しやすくなります。

処方箋なしで購入できる総合感冒素の一成分として含まれるグリセリルグアイヤコレイトなどに含まれているグアイフェネシン)は、鼻汁をやわらかくする効果があります。この薬を服用する場合は、水分を大量にとってください。

風邪をひき、咳が出るとともに鼻が詰まり、鼻漏が出るときは、多くの場合、鼻汁が咽頭の後ろへ落ちているのが原因です。充血除去剤は鼻孔を広げ、後鼻漏を軽減するので、このような種類の咳には最適な治療法です。フェニレフリン、プソイドエフェドリン、フェニルプロパノラミン、これらを調合したものなどの充血除去剤は、風邪薬の配合成分として調合され一般の薬局で購入できます。6歳未満の幼児には、主治医の指示がない限り、充血除去剤を与えないでください。高血圧の方は、充血除去剤を服用する前に担当医に相談してください。

日本では処方箋なしで購入できる総合感冒薬や鼻炎薬(いわゆる風邪薬)には、痰を切れやすくする薬や咳を止め充血を取る薬などが配合されています。

慢性後鼻漏による咳は、副鼻腔の炎症またはアレルギーが原因と考えられます。アレルギーが原因である場合は、アレルギーを起こす薬は飲まないようにし、抗ヒスタミン薬類を服用してください。

むずむずするような空咳は、咳止めドロップをなめることによって快方へ向かう場合があります。

コデインは非常に効き目のある咳止め薬ですが、副作用があるため、購入するためには処方箋が必要です。

医師に相談

- 急に激しい咳が出たり、息を吸うときに高い音(喘鳴)が出る場合(小さい物を吸い込んだ可能性もあります)。
- 咳といっしょに血が出たとき。この場合は緊急治療が必要です。
- 3カ月未満の乳児が咳をしている場合。
- 息切れがしたり、呼吸がしづらい場合。
- 咳とともに発熱や腹部膨隆などの症状が出た場合。
- 咳が出るとともに、意図していないのに体重が減少した場合。
- 咳とともに、濃くて悪臭があり、さび色または緑色がかった粘液が出る場合。
- 咳が10日以上止まらない場合。

診察室での処理

緊急の場合は、まず症状を沈静化する処置をとります。症状が落ち着いてきたら、病歴を聞き、呼吸器系の検査を行います。

咳について以下のような質問をされる可能性があります:
- 種類
- 血痰は出ますか(喀血) ?
- 血痰は目に見えるほどですか(喀血はひどいですか) ?
- 痰に血が混じっていますか(痰) ?
- 咳をするときに血が大量に出ますか(大量の喀血) ?
- これまでに血痰が出たことは何度もありましたか(喀血) ?
- 咳をするときに粘液は出ますか(痰) ?
- 痰に膿汁が混じっていますか(膿汁を含んだ痰) ?
- 痰に膿汁が混じっていて、異臭がしますか ?
- 痰が透明で粘りのある粘液のようですか(粘性痰) ?
- 痰は白く泡が多いですか ?
- 咳とともにピンク色の泡だったものが出ますか ?
- 痰が粘液性で濃く、咳がしにくいですか(粘着性) ?
- 咳とともに茶色がかった塊が出ますか ?
- 痰はどれくらい出ますか(1日にコップ何杯分くらいですか) ?
- 性状
- 咳は激しく出ますか ?
- 空咳ですか ?
- 咳をするときに大きなうなるような音が出ますか ?
- 時間帯による違い
- 咳は夜になるとひどくなりますか ?
- 突然出るようになりましたか ?
- 最近ひどくなってきましたか ?
- 咳はどれくらい続いていますか(何週間ですか) ?
- 咳は慢性的に出ていましたか ? 咳の出方は最近変わりましたか ?
- 咳の発作は繰り返し起こりますか(反復性) ?
- 咳がひどくなったことは、これまでに何度かありましたか ?
- 咳の様子は変わりますか ?
- 咳の様子は数時間のうちにも変わりますか ?
- 悪化要因
- 咳は左右どちらかを下にして横になるとひどくなりますか ?
- 咳は朝起きたときにひどくなりますか ?
- 関連する症状
- 咳の発作が喉詰まりや嘔吐とともに周期的に突然起こりますか ?
- その他
- このほかに現れている症状はありますか ?

診察では、耳、鼻、喉、胸部を重点的に診ます。咳の原因がウイルス感染またはアレルギーである場合は、効果がないため抗生物質類の処方箋は書いてもらえません。

以下のような診断検査をするかもしれません:
- 気管支鏡
- 肺スキャン
- 肺機能検査
- 喀痰検査(咳が痰を伴う場合)
- 胸部レントゲン撮影

診察の後で:
咳に関する診断を、自分の医療記録に追加できます。「医療記録」機能を参照してください。

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