「申し訳ありません」とまず非を認め相手の感情をやわらげる
「一事が大事」という言葉がある。

一つのことを見れば、他のことも全て推しはかることができるというという意味だ。

たとえば、商店やレストランで、店員の態度が悪かった場合、

客の側は、「この店は店員教育がなっていない」「近頃の若い店員は、客を客とも思っていない」

と思うだろう。

たまたま商品知識のないアルバイトが接客したということがあっても、それは店の側の理論で、客には通用しない。

客にとっては、自分に対応した一人の店員が、その店の印象を作るのだ。

ここで問題は、そうした見方が一旦刷り込まれると、あとでどんなに、それを打ち消すような情報が与えられても、

最初の印象はなかなか払拭できないということだ。

しかも、良い印象は比較的消えやすいが、悪い印象のほうがインパクトが強く。消えにくいので後始末が悪い。

不祥事を起こした企業や組織にとっても、事情はまったく同じだ。

「不祥事は個人的問題で会社全体は健全だ」

などと主張しても、世間は受け入れるものではない。

だから企業では、

クレームを打ち込んできた人に対してもうまく対処しないと相手はどんどん悪い印象を増大させていくことになる。

万一クレームを持ち込まれたとき、最も相手に交換をもたれる姿勢は、突っ張らないことだ。

もちろん、どちらが正しいか分からない問題なら

謝ることはないが、自分のほうが非があるときは、

「こちらの落ち度で、お客様にはご迷惑をおかけしました。まことに至らないことで申し訳ございません」

というように、相手が正しいことを認める態度で接すると、相手の感情を和らげることができる。

「100%悪いとは言い切れない」「杜のメンツにかかわる」「あとで損害賠償問題が生じたとき、大変なことになる」と、

いろいろ考えて謝罪を渋る場合があるが、基本は客への誠実さだ。

どのくらいの責任をかぶるのかなどの問題は、後に交渉にゆだねればいい。

こうして、話し合いを重ねていけば、相手もそのうち譲歩の姿勢を示してくるようになるものだ。