自分の失敗は、ユーモラスに語る。
人前で失敗すると、誰でも動揺する。周囲も目のやり場に困ることがある。
俳優の愛川鉄也さんは、自分が失敗したことは、すこさず「これはジョークのネタに使えるね」と言うのだそうだ。
このように、自分の失敗をユーモラスな話にしてしまうやり方は、私たちが相手に好印象を与えようとする場合、大変役に立つ。なにより、その一言で周囲が救われる。はらはらしていたのに、一緒に笑える雰囲気になる。同時に、失敗した本人のイメージも上がるに違いない。まず、失敗を客観視できる冷静さが注目されるだろう。さらに、明るい、ユーモラスな人柄と言う印象も持たれる。
これは、相手の失敗を慰める場合にも当てはまる。ある高度な外国文学の教授が、日本に駐在するイギリス外交官の私邸に招かれて、酒を飲んだ。
仕事に疲れていた教授は、不覚にも寝込んでしまい、目が覚めたときは、深夜になっていた。非礼をわびて、逃げるように帰ったのだが、翌日になっても、前夜のエチケット違反が気になってしょうがない。すると、夜十時過ぎ、前ぶれもなく、その外交官が訪ねてきた。見れば酔った顔をして、ウィスキーのビンをぶら下げている。「あなたと急に飲みたくなって」-。教授が、その心遣いに感謝したことは言うまでもない。
自分の失敗をユーモラスに処理するだけでなく、相手の失敗にもユーモアに包んで慰める。こんな芸当ができれば鬼に金棒だ。