怒っている相手に反論するときは、間を置く。
かつて、電話料金に金額をめぐって、
利用者と現NTTのあいだでよくトラブルが起きた。
その時、現NTTは、
できるだけ早く”苦情処理”をすませようと、
その場で数字を調べて答えていたそうだ。
ところが、納得しないしとが多かった。
そこで、
とりあえずその場では謝っておき「十分な調査をした上で、
後日報告に参ります」と”間”をおいて説明する方法をとることにしたのだという。
これが極めて効果を挙げたのは言うまでもない。
なぜかというと、
相手が怒っているとき、
つまり感情的になっているときには、
論理を受け入れる体制ができていないからである。
心理的に説明を受け入れる状態を作るのに、
一番有効なのは、
時間をかけて怒りが収まるのを待つことである。
私はこの”間”を置くことを”時間差攻撃”と呼んできるが、
人間を説得するには欠かせない武器の一つであると感心している、
「ほとぼりが冷める」までまとうという一般的な教訓は、
十分に心理学的な裏づけを持っているのだ。
怒っている相手に反論する場合も、
本質的には説得と代わらない。
例え正当な反論でも、相手の言葉に口をはさむと
反感を買いやすい。
相手に受け入れる態勢がないと、
反論の内容が正しいほど、
その反感は強まって逆効果なのだ。
タクシー会社が交通事故を処理するときも、
「まずお見舞い」を鉄則にしている。
状況がどんなに会社に有利でも
交渉を開始するのは”痛み”がとれてからなのである。